この記事でわかること
- オープンウォーター講習の3つの中身(学科・限定水域・海洋実習)
- PADIの場合の本数・深さ・年齢と、それぞれで身につけること
- 体験ダイビングと何が違うのか
オープンウォーターは、多くの人が最初に取るダイビングの認定です。名前は聞いたことがあっても、講習で何をするのかは意外と知られていません。プールでずっと泳がされる?学科の試験がきつい?そんなイメージを持つ人もいます。ここでは、講習の中身を3つに分けて、初日から認定までの流れをたどります。数字はいちばん普及しているPADIを例に、「PADIの場合」と示しながら書きます。

講習って、いきなり深い海に連れて行かれるのニャ…?こわいニャ。

いきなりじゃないよ。まず教室で学んで、次にプールみたいな穏やかな場所で練習して、それから海。段階を踏むから大丈夫。
オープンウォーターは「自分たちで潜れる」ための最初の認定
オープンウォーター・ダイバーは、バディ(相棒)と組んで、自分たちの判断で潜れるようになるための最初の認定です。体験ダイビングがインストラクター付きの一日体験だとすれば、こちらは「卒業したら自分で潜っていい」という資格。PADIの場合、このカードで潜れる深さは最大18mまで。受講できる年齢は10歳以上で、認定時に15歳未満だとジュニア・オープンウォーターのカードになります。上限は特にありません。
講習は3つ(学科・限定水域・海洋実習)
講習は、大きく3つのパートでできています。順番に積み上げていく作りです。
| パート | 場所 | やること(PADIの場合) |
|---|---|---|
| 学科 | 教室・自宅(オンライン教材) | 圧力・器材・安全ルールを学ぶ。最後に知識のテスト |
| 限定水域 | プールや波のない浅い海 | 基本スキルを練習。5本以上 |
| 海洋実習 | 実際の海 | スキルを海で実践。4本以上 |
それぞれで身につけること
学科では、水中で体に起きることを学びます。圧力が耳や体の空間にどう影響するか、器材はどう扱うか、バディと潜るときのルールは何か。PADIはオンラインで事前に進められる教材を用意していて、自宅で読み進めておけば、当日の座学が短く済みます。最後に知識の確認テストがありますが、教材を読んでいれば答えられる内容です。
限定水域は、プールや流れのない浅瀬での練習です。ここがいちばん大事なパート。マスクに入った水を出す「マスククリア」、口から外れたレギュレーター(呼吸する器材)を取り戻す練習、浮いたり沈んだりを微調整する「中性浮力」など、海で必要になる動きを、安全な場所で体に覚えさせます。PADIの場合、限定水域は5本以上。「できた」と思えるまで繰り返せるのが、体験ダイビングとの大きな違いです。マスクや耳抜きが不安な人は、ダイビングの耳抜きのやり方も先に読んでおくと落ち着けます。
限定水域で練習する具体的なスキルには、次のようなものがあります。名前は難しそうでも、やることは一つずつシンプルです。
- マスクに入った水を出す、マスクを外して付け直す
- 口から外れたレギュレーターを探して戻す、水を吹き出してまた呼吸する
- バディの予備の空気源(オクトパス)を使って一緒に浮上する
- 浮きも沈みもしない「中性浮力」で、水中にとどまる(ホバリング)
- 万が一空気が足りなくなったときの、ゆっくり浮上する練習
- ウエイトやタンクを水中・水面で付け外しする
どれも、トラブルが起きたときに落ち着いて対処するための動きです。正直なところ、最初は水中でマスクを外すのが怖い、という人は少なくありません。でも、穏やかな場所で何度もやるうちに、体は実際にちゃんと慣れます。「できた」と言えるまで練習できるのが、限定水域のいいところです。ここを丁寧にやっておくと、海洋実習がぐっと楽になります。
海洋実習は、いよいよ本物の海です。限定水域で覚えたスキルを、波や流れのある環境で使ってみる。PADIのオープンウォーターでは、海洋実習は4本以上です。1本ごとに少しずつ深く、できることを増やしていきます。ここまで来ると、練習というより、ダイビングそのものを楽しむ時間に近くなります。潜った記録は、その日からログブックに書き残していきます。日付・場所・深さ・時間、見た魚。この記録が、次に潜るときの目安になり、経験の証にもなります。海洋実習の何本かが、そのまま最初のログとして残るわけです。天候で日程がずれることもありますが、あわてなくて大丈夫。無理に潜らないことも、安全の一部です。

プールでできたことを海でやるだけ。順番に慣れていくから、気づいたら潜れるようになってるよ。
指導団体による違いと、共通していること
オープンウォーター相当のコースは、PADIのほかNAUIやSSIなど複数の団体が用意しています。本数や深さ、年齢の下限などの数字は、団体によって少しずつ違います。だから、申し込むショップがどの団体の講習をしているかは、確認しておくといいところです。ただ、「学科→限定水域→海洋実習」という流れと、取ったカードが世界中で通用することは、どの団体でも共通しています。この記事の数字はPADIを例にしているので、ほかの団体で受けるときは、そのショップに最新の基準を聞いてください。
体験ダイビングと何が違う?
いちばんの違いは、「終わったあと、自分で潜れるかどうか」です。体験ダイビングは、その日インストラクターと潜って終わり。次にまた潜るには、また体験を申し込みます。オープンウォーター講習は、修了すればCカードが手に入り、以後はファンダイビングに参加できます。深さも、体験の12mから18mへ広がります。学ぶ量が多いぶん日数もかかりますが、その先の自由度がまるで違います。体験と講習で迷っている人は、体験ダイビングとライセンス、どっちから?と、費用と日数を見比べてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. オープンウォーター講習は何日かかりますか?
PADIは、連続2日間かそれより短い期間で全てを身につけるのは相当難しい、としています。学科を事前にオンラインで進め、実習に数日を充てる形が一般的です。くわしくは費用と日数の記事にまとめました。
Q. 泳げなくても講習は受けられますか?
PADIの場合、受講には一定の泳力の確認があります。道具なしで200m(マスク・フィン・スノーケルを使えば300m)を止まらず泳ぎ、道具なしで10分間浮くか立ち泳ぎができること。ただし泳法もタイムも自由で、速く泳ぐ必要はありません。不安ならショップに相談してください。
Q. 学科のテストに落ちたらどうなりますか?
落とすためのテストではありません。間違えたところはインストラクターが説明し、理解できるまで付き合ってくれます。教材を読んでいれば答えられる内容です。分からないまま先へ進む、ということにはなりません。
講習は、段階を踏んで「できる」を積み上げていく作りです。いきなり難しいことはしません。次は、申し込む前にやっておくことを確認しておきましょう。
この記事は一般的な情報のまとめです。年齢・泳力・本数・深さ・日数の条件は指導団体やコースによって異なります。最新の基準と健康面の可否は、受講するショップや医師にご確認ください。