この記事でわかること
- ライセンス講習に「泳力の確認」はあるのか
- PADIの場合の泳ぐ距離・浮く時間と、その意味
- 泳ぎが苦手な人が講習前にやっておくと楽になる練習
「ライセンスって、泳げないと無理でしょ?」。そう思って申し込みをためらう人は、けっこう多いです。体験ダイビングと違い、講習には泳力の確認があります。ただ、その中身を知ると、思っていたよりハードルは低いはず。ここでは、PADIを例に「何を・どれくらい」確認するのかと、泳ぎが苦手な人の準備をまとめました。数字は「PADIの場合」と示して書きます。

泳力テストって、タイムを測られるのニャ…?25mも自信ないニャ。

タイムは測らないよ。速さじゃなくて「水に慣れているか」を見るだけ。泳ぎ方も自由なんだ。
講習には「水慣れ・泳ぐ・浮く」の確認がある
体験ダイビングは、インストラクターが付きっきりで潜る一日体験でした。泳力は問われません。一方、オープンウォーターは修了すれば自分たちで潜れる認定です。だから講習のどこかで、水の中で落ち着いていられるかを確かめます。これは足切りではありません。パニックを防ぐための下地づくり、と考えるほうが近いです。泳ぎの速さや美しさは見ていません。見ているのは、水に落ち着いていられるかどうか。ここが体験ダイビングとの大きな差です。泳ぎそのものが不安な人は、泳げなくても体験ダイビングはできる?もあわせて読むと、順序がつかめます。
何をどれくらい(PADIの場合)
PADIのオープンウォーター講習では、修了までに次の水面スキルを確認します。原典の数字はこうです。
| 確認すること | PADIの基準 | 条件 |
|---|---|---|
| 泳ぐ | 道具なしで200m、またはマスク・フィン・スノーケルを使って300m | 止まらずに。泳法は自由・タイム制限なし |
| 浮く・立ち泳ぎ | 道具なしで10分間 | 方法は自由。背浮きでも立ち泳ぎでも可 |
ポイントは、この2つにタイムの制限がないこと。平泳ぎでも、犬かきでも、あお向けでゆっくり進んでもかまいません。300mのほうはマスク・フィン・スノーケルを使えるので、フィンの推進力が効いて、実は素で200m泳ぐより楽に感じる人もいます。10分間の「浮く」も、ずっと動き続ける必要はなく、力を抜いて水面に体を預けられれば足ります。PADIジャパンの案内でも「水泳が得意である必要はありません。ただ泳げればOK」とされ、講習を始める前にインストラクターが水慣れを確認する、と書かれています。数字はPADIのもので、NAUIやSSIなど団体によって少し違います。申し込むショップがどの団体かで基準が変わるので、そこは先に聞いておくと安心です。
この記事は医療上の助言ではありません。泳力や体調に不安がある場合は、必ず申し込み時にショップへ相談してください。潜れるかどうかの最終的な判断は、現地のインストラクターと、必要に応じて医師にゆだねられます。

タイムがないなら、ゆっくりでいいのニャ。ちょっと安心したニャ。
泳ぎが苦手な人が講習前にできる練習(プール)
不安なら、講習の前に近所のプールで一度だけ試しておくと気が楽になります。おすすめは、記録より「浮く感覚」を確かめること。まず、力を抜いて背浮きで水面に体を預けてみる。次に、平泳ぎで一往復。息が上がったら壁で休んでいい、と自分に許可を出しておきます。ここで大事なのは、速く泳ぐ練習ではありません。水に顔をつけて、ゆっくり吐く。この呼吸のリズムをつかんでおくと、講習の限定水域がぐっと楽になります。マスク・スノーケルを持っているなら、それをつけて300mの距離感をつかんでおくのもいい。実際、フィンをつけて泳いだ瞬間に「これなら行けそう」と感じる人は少なくありません。もし泳ぎ以前に水そのものが怖い、というときは、無理をせず先にショップへ伝えておきましょう。
「泳ぐ」より先に「水が怖い」を小さくする
じつは、泳ぎの距離より根っこにあるのが「水への怖さ」です。泳力そのものより、顔に水がかかるのが苦手、耳に水が入るのがいや、という人のほうが多い。ここを小さくしておくと、講習ぜんぶが楽になります。おすすめは、お風呂やシャワーで顔に水をかける、鼻から少しずつ息を出してみる、といった小さな慣らし。ばからしく思えて、これがよく効きます。水面で力を抜けるようになると、体は自然と浮きます。人の体は、肺に空気があるとき、放っておいても浮くようにできているからです。「沈む」と思い込んでいる人ほど、力が入って沈む。その逆をやるだけで、浮く感覚は戻ってきます。水そのものが怖いという段階なら、泳ぐ練習より先に、この慣らしから始めるのが近道です。
できなかったらどうなる?
その日に泳ぎきれなくても、認定が消えてしまうわけではありません。PADIの講習は「達成ベース」。日数や回数ではなく、できるようになったかどうかで進みます。水面スキルが不安なら、インストラクターが練習に付き合い、日を分けて確認することもあります。落とすための試験ではない、というのが実際のところです。だからこそ、隠さずに「泳ぎが苦手です」と最初に伝えるのが得策。言っておけば、向こうも見守り方を変えてくれます。黙って当日を迎えるより、ずっと楽に進みます。
体験ダイビングで慣れてから受ける選択
泳力の確認がどうしても不安なら、順番を変える手もあります。先に体験ダイビングで水中の呼吸に慣れ、それから講習へ進む流れです。体験で「息が続く」「浮けた」を一度味わっておくと、講習の水面スキルへの心理的な壁が下がります。体験と講習のどちらから始めるか迷っているなら、体験ダイビングとライセンス、どっちから?を見比べてください。講習そのものの中身は、オープンウォーター講習では何をする?にまとめています。急ぐ必要はありません。体験を1回はさむと日数もお金も少し増えますが、その分、講習の初日に感じる緊張はぐっと減ります。泳ぎに自信がない人ほど、この回り道が効くことがあります。
よくある質問(FAQ)
Q. カナヅチでもオープンウォーターは取れますか?
PADIジャパンは「水泳が得意である必要はない」と案内し、講習前にインストラクターが水慣れを確認するとしています。ただし泳ぐ・浮くの水面スキルの確認はあります。不安の度合いは人それぞれなので、申し込み時に正直に相談するのがいちばんの近道です。
Q. 泳ぐ距離にタイムはありますか?
PADIの場合、200m(マスク・フィン・スノーケル使用なら300m)を止まらず泳ぎ、10分間浮くか立ち泳ぎができること。どちらも泳法もタイムも自由で、速さは問われません。ゆっくり進んで大丈夫です。
Q. 練習は何をしておけばいい?
プールで「背浮きで力を抜く」「顔をつけてゆっくり吐く」の2つを試しておくと、当日が楽になります。距離を伸ばすより、水に落ち着く感覚を先につかむのがコツ。マスク・スノーケルがあれば、つけて泳いで距離感を確かめておくのもおすすめです。
泳力の確認は、速さを測るものではありません。水に落ち着いていられれば、道は開けます。次は、講習で実際に手を動かすスキルを見ておきましょう。
この記事は一般的な情報のまとめです。泳力の基準は指導団体やコースによって異なります。最新の基準と健康面の可否は、受講するショップや医師にご確認ください。